エアープランツの夏越しで失敗しないために
【明るさ】
ティランジア(エアープランツ)は(葉焼けしない程度で)明るい程活性が上がり、腐りにくくなります。これは非情に重要なことです。暗い環境だと活性が下がり、その状態で温度や湿度が高すぎたり、長く濡れていたりすると腐りやすくなります。
【温度・湿度】
温度・湿度が高すぎると確かに腐りやすくなりますが、腐りの根本原因ではないと考えています。光が足りていない(風通しの悪さも腐りの原因となる)状態で温度や湿度が相対的に高すぎたり低すぎたりすると腐りやすくなります。屋外管理で温度が高くても意外と平気なのは光と風が十分にあるからです。室内などで光が足りてない場合は窓際に近づけたり、LED照明を当てて補完します。また、逆の発想で、エアコンを用いて温度か湿度、あるいはそれら両方を下げるというのも良いでしょう。ちなみに光が十分で適温であれば、緑葉種などにおいては高湿度が良い結果となることもあります。
【水やり】
以前は私も水やりしすぎで腐ると言っていましたが、現在ではそれは正しくないと考えています。「適正な環境下」においては、余程濡れっぱなしにならない限りは問題ないことが多いです。ただし、適正ではない環境の場合は、その水やりでトドメをさすことが多々ありますので、慣れないうちは慎重に水やりを行いましょう。※ソーキングは好んで行っておりますが、夏場温度が高い環境(特に暗かったりする場合)では短時間にしたり、控えたほうが良い場合があります。特に長く濡れていることを嫌うテクトラム系やメキシコ緑花などです。ストラミネア系、ラティフォリア系も少し気をつけたほうが良いかと思います。
【風】
室内で環境がズレていると思ったらサーキュレーター等で送風してください。窓の開放も良いでしょう。但し、光が十分にあって湿度が低い環境で送風すると驚くほど乾くの注意しましょう。過保護が仇になることもあります。また、夏場以外でも空気流動は植物にとって良い影響をもたらしますので、緩めに風を動かすのは有効です。これはエアープランツ以外の植物でもいえることです。
【置きor吊り】
吊りの方が遥かに安全です。室内管理で夏越しする場合、出来るだけ吊ってください。これは意外と重要なことです。
チラリウム
こちらの写真は店内にあるティランジアをメインに栽培しているテラリウムです。この水槽での水やりは2~4日に1回で、しかもガラス蓋で覆っており無風です。え?なんで腐らないの?と驚かれると思いますが、それは温度が夏季上限27度、冬季下限15度で、光が十分にあるからです。これを真似する必要はありませんが、なんとなく私の言いたいことがお分かりいただけるかな、と思います。参考程度にどうぞ。
具体的な方法例
1. 屋外で栽培する(適宜遮光してください)。台風が来たときなどは避難の必要がありますが、夏越しに関しては最も安全かもしれません。
2. 屋内でエアコンつけっぱなし。設定温度は26-32度あたりで良いでしょう。
3. LEDなどで明るさを補完する。種類によって光源からの遠近を分ける。
4. 窓を開放する。換気扇をつける。防犯上の問題がなければ窓を開けるのは非常に有効です。
5. サーキュレーターで植物に風を送る。風を送ることで腐りにくくなります。
店主の趣味の栽培では?
(屋外組)そのまま
(屋内組)エアコン28度設定で24時間運転+サーキュレーター+自然光で足りないエリアのみLEDで補光しています(タイマーで1日8時間程度)。←絶対に枯らしたくないので過剰防衛です(笑)
夏越しのまとめ
1,屋外の明るい木陰等で栽培する
2,室内の場合は、光と風を確保(強化)する
2,光と風に不安があるならエアコンで温度を下げる
3,長い時間濡れている状態を避ける(緑葉種等は逆に乾燥に気をつけなければいけない場合もある)
↑You Tubeでも解説しております(ラジオ雑談形式)
※上記内容を実践された場合に起きた損害の責任は一切負いません。予めご了承ください。2022.9.19加筆修正